女性向けプラセンタ育毛剤の選び方!頭皮環境を整える成分を解説

女性向けプラセンタ育毛剤の選び方!頭皮環境を整える成分を解説

プラセンタ配合の育毛剤は、成長因子やアミノ酸の働きで頭皮環境を整え、女性の薄毛悩みにアプローチできる選択肢の一つです。ただし、配合濃度や由来成分は製品によって大きく異なるため、自分の髪と頭皮の状態に合ったものを選ぶ視点が欠かせません。

女性の薄毛には加齢やホルモンバランスの変化、ストレスなど複数の要因がからみ合っています。プラセンタに含まれるIGF-1やFGF-7といった成長因子が毛母細胞の増殖を促し、頭皮の血行を改善する可能性が研究で示されています。

この記事では、プラセンタ育毛剤を選ぶときに確認したい成分の種類や、頭皮環境を底上げするケアのコツを、医学的な知見をもとにわかりやすくお伝えします。毎日の頭皮ケアを見直すきっかけにしていただければ幸いです。

目次

プラセンタ育毛剤が女性の薄毛対策として注目される背景

プラセンタ由来の成長因子が毛包(もうほう=髪の毛を作る組織)に直接はたらきかけ、毛髪の成長期(アナゲン期)を延ばす可能性がある点が、注目を集めている理由です。

従来のミノキシジル外用とほぼ同等の発毛効果を示したとする臨床試験の報告もあり、副作用の少ない選択肢として期待が高まっています。

女性特有の薄毛が増えている要因

20代後半から60代にかけて、びまん性脱毛症(頭部全体の髪が均一に薄くなるタイプ)を訴える女性が増えています。加齢に伴うエストロゲンの減少がヘアサイクルを短縮させるほか、過度なダイエットによる栄養不足、ストレスや睡眠不足も頭皮の血流を低下させる要因です。

男性型脱毛症(AGA)と異なり、女性の薄毛は前頭部の生え際が後退するよりも頭頂部を中心に広がるパターンが多く、「分け目が広がってきた」と感じて初めて気づくケースが少なくありません。原因が複合的であるぶん、頭皮そのものの環境を整えるケアが重要になります。

プラセンタが育毛分野で評価されるようになった経緯

胎盤(プラセンタ)は胎児の発育を支える臓器であり、VEGFやIGF-1、FGFなど多種多様な成長因子を含んでいます。1982年に発表されたHauserの研究では、プラセンタエキスの注射によって女性の脱毛が74%の割合で改善したと報告されました。

その後、2020年にはBaratらが90名の女性を対象とした二重盲検試験を実施し、牛由来プラセンタローションがミノキシジル2%と同程度の発毛効果を示すことを確認しています。こうした研究の蓄積により、プラセンタは育毛成分としての科学的根拠を少しずつ積み上げてきました。

ミノキシジルとの比較で浮かび上がる利点

ミノキシジルは国内外で広く認可された育毛成分ですが、頭皮のかゆみやかぶれといった副作用が一定の割合で報告されています。プラセンタ配合のローションでは、Baratらの試験において重篤な皮膚トラブルが見られなかったと述べられており、敏感肌の女性にとって選択肢になりうるでしょう。

ただし、プラセンタ育毛剤の臨床データはまだ限定的です。2024年のSzendzielorzらによるシステマティックレビューでは、対象となった臨床試験がわずか3件にとどまっている現状も指摘されています。

効果への過度な期待は避けつつ、自分の肌質や生活スタイルに合う製品を探すことが大切です。

比較項目ミノキシジル2%プラセンタ育毛剤
主な作用血管拡張・毛母細胞活性化成長因子による毛包刺激
副作用リスクかゆみ・かぶれの報告あり重篤な報告は少ない
臨床データ量豊富限定的

プラセンタに含まれる育毛成分と頭皮への働き

プラセンタには毛包の成長を促す成長因子と、頭皮の細胞を修復するアミノ酸が豊富に含まれています。なかでもIGF-1(インスリン様成長因子)とFGF-7(線維芽細胞増殖因子)は、毛母細胞の分裂を活性化させることが動物実験で繰り返し確認されている成分です。

IGF-1が毛包に与える影響

Zhangらの研究では、牛由来プラセンタエキスがマウスの皮膚でIGF-1のmRNAおよびタンパク質レベルを上昇させ、毛包のサイズと毛髪の長さを増加させたことが示されました。

IGF-1は毛乳頭細胞(もうにゅうとうさいぼう=髪の成長をコントロールする司令塔のような細胞)に作用し、成長期の延長に寄与すると考えられています。

ヒトの頭皮においても、IGF-1の局所濃度が高い部位では毛髪密度が維持されやすいという報告があります。加齢とともにIGF-1の産生量が減るため、外部からプラセンタ由来のIGF-1を補うことで頭皮環境の底上げをねらえるかもしれません。

FGF-7による毛母細胞の増殖促進

FGF-7はケラチノサイト成長因子とも呼ばれ、表皮や毛包の細胞増殖に深くかかわっています。Seoらの動物実験では、ヒト由来プラセンタの外用が毛包のFGF-7発現を有意に増加させ、成長期への移行を促進したことが報告されました。

FGF-7は毛包の外毛根鞘(がいもうこんしょう)や内毛根鞘で発現し、ヘアサイクルの初期段階で細胞分裂を加速させます。さらに、紫外線や薬剤によるダメージから毛包を保護する作用も確認されており、頭皮環境の維持に多面的な役割を果たしている成分といえます。

アミノ酸やビタミン類の補助的な効果

プラセンタにはアルギニン、メチオニン、リジンといったアミノ酸が含まれています。アルギニンは一酸化窒素(NO)の前駆体として頭皮の血管拡張に寄与し、メチオニンは毛髪を構成するケラチンの合成に欠かせない硫黄を供給します。

ビタミンB群やミネラル(亜鉛・鉄)も胎盤組織から抽出できます。鉄は毛母細胞への酸素供給を担い、亜鉛は5αリダクターゼ(男性ホルモンを活性型に変換する酵素)の活動を抑える作用が報告されています。これらの微量栄養素がプラセンタの育毛効果を下支えしていると考えられます。

育毛に関与する主なアミノ酸

  • アルギニン:血管拡張を促し頭皮への血流を増やす
  • メチオニン:ケラチン合成に必要な硫黄を供給する
  • リジン:鉄の吸収を助け毛母細胞への酸素供給を支える
  • グルタミン:毛髪の成長に必要なエネルギー源となる

女性の薄毛タイプ別に見るプラセンタ育毛剤の選び方

薄毛の原因は一人ひとり異なるため、自分の脱毛タイプを把握したうえで製品を選ぶと、頭皮ケアの満足度が高まります。女性に多い脱毛パターンは大きく分けて3種類あり、それぞれプラセンタ育毛剤に求める成分や機能が変わってきます。

びまん性脱毛症には血行促進成分が配合されたタイプ

頭部全体の髪が均一に薄くなるびまん性脱毛症は、加齢やホルモンバランスの乱れが主な要因です。

頭皮の血流低下が深くかかわっているため、プラセンタの成長因子に加えて血行促進作用のある成分(センブリエキスやニンジンエキスなど)が同時に配合された育毛剤を選ぶとよいでしょう。

育毛剤の塗布時に指の腹で頭皮を軽くマッサージすると、有効成分の浸透と血流改善の両方が期待できます。朝晩の2回を習慣にすると、頭皮環境の維持につながりやすくなります。

産後の抜け毛には低刺激処方を優先して

出産後に急激に増える抜け毛は「産後脱毛(休止期脱毛)」と呼ばれ、妊娠中に高まっていたエストロゲンが出産後に急減することで起こります。多くの場合は6か月~1年ほどで自然に回復しますが、回復を後押しするケアとしてプラセンタ育毛剤を取り入れる方もいます。

授乳中は頭皮が敏感になりやすいため、アルコールフリーやパラベンフリーといった低刺激処方の製品を選ぶと安心です。気になる場合は、使用前にかかりつけの産婦人科医や皮膚科医に相談してください。

分け目やつむじ周りが気になるFPHL(女性型脱毛症)の場合

女性型脱毛症(FPHL)は、頭頂部から前頭部にかけての軟毛化(毛が細く短くなること)が特徴です。Baratらの試験で用いられた牛由来プラセンタローションはFPHLの女性を対象としており、6か月間の使用で毛髪数の増加が確認されました。

FPHLは進行性のため、早い段階から頭皮ケアを始めることが望ましいとされています。プラセンタ育毛剤だけでなく、生活習慣の見直しや医療機関での相談を並行して行うと、より効果的な薄毛対策につながるでしょう。

敏感肌の女性が確認したい配合成分チェックリスト

  • アルコール(エタノール)の配合量が少ないか
  • 香料・着色料が無添加か
  • パッチテスト済みと明記されているか
  • プラセンタの由来(豚・馬・植物)が明示されているか

プラセンタの原料には動物由来(豚・馬・牛)のほか、植物由来(大豆やバラの胎座)のものもあります。動物性プラセンタは成長因子が豊富ですが、アレルギーが心配な方は植物性を試すのも一つの方法です。

頭皮環境を整えるプラセンタ以外の注目成分

プラセンタ単体よりも、複数の育毛成分を組み合わせたほうが頭皮環境への多角的なアプローチが可能です。育毛剤を選ぶ際には、プラセンタとの相乗効果が見込める成分が含まれているかどうかも確認してみてください。

成分名主な作用
センブリエキス血行促進・毛乳頭細胞の活性化
グリチルリチン酸2K頭皮の炎症を鎮める
パンテノール毛髪の弾力・保湿を高める
ビオチンケラチン合成の補助

センブリエキスとプラセンタの組み合わせ

センブリエキスは日本の医薬部外品に広く採用されている育毛成分で、毛細血管を拡張させることで毛乳頭への栄養供給を促します。プラセンタの成長因子が毛母細胞を直接刺激するのに対し、センブリエキスは「栄養の通り道」を広げる役割を担います。

この2つが同時に配合されている育毛剤であれば、血流改善と細胞活性化の両面から頭皮にはたらきかけることが期待できます。

グリチルリチン酸2Kで頭皮の炎症を抑える

頭皮に慢性的な炎症があると、毛包の正常なサイクルが乱れやすくなります。グリチルリチン酸ジカリウム(2K)は甘草(かんぞう)由来の抗炎症成分で、フケやかゆみを伴う頭皮トラブルの緩和に役立ちます。

頭皮環境が荒れた状態ではプラセンタの成長因子も十分に機能しにくいため、まず炎症を鎮めてから育毛ケアを行うほうが効率的です。

パンテノールとビオチンが毛髪を内側から強くする

パンテノール(プロビタミンB5)は毛髪内部に浸透して水分保持力を高め、切れ毛や枝毛の予防に寄与します。一方のビオチン(ビタミンB7)はケラチンの代謝に関与し、毛髪のハリやコシを支える栄養素として知られています。

これらの成分はプラセンタの育毛作用を補完し、「生やす」だけでなく「育てた毛髪を丈夫に保つ」という観点でも頭皮ケア全体の質を高めてくれます。

プラセンタ育毛剤を使うときに気をつけたいポイント

プラセンタ育毛剤は正しく使わなければ本来の力を発揮できません。使用頻度やタイミング、保管方法まで含めて、押さえておきたい注意点を整理します。

洗髪後の清潔な頭皮に塗布する

皮脂や汚れが残った頭皮に育毛剤を塗っても、有効成分の浸透が妨げられます。シャンプーで頭皮を清潔にしたあと、タオルドライで水気を軽く取った状態がベストな塗布タイミングです。

ドライヤーの熱は成長因子のタンパク質を変性させるおそれがあるため、育毛剤を塗ってから数分間なじませたあとに乾かすとよいでしょう。

塗布タイミングと浸透効率の関係

タイミング頭皮の状態浸透効率
洗髪直後(タオルドライ後)毛穴が開き皮脂が少ない高い
朝の外出前皮脂が少なめ中程度
洗髪前(皮脂が多い状態)毛穴が詰まりやすい低い

使い始めてすぐの効果を期待しすぎない

ヘアサイクルの休止期から成長期への移行には通常3~6か月かかります。育毛剤を1~2週間使っただけでは変化を実感しにくいのが一般的です。少なくとも6か月は継続使用してから効果を判断するのが妥当でしょう。

医療機関への相談も並行して検討する

急激な抜け毛の増加や、円形脱毛症のように部分的に髪が抜ける場合は、甲状腺疾患や自己免疫疾患が隠れている可能性があります。育毛剤だけで対応しようとせず、皮膚科や毛髪専門のクリニックを受診してください。

医師の診断を受けたうえでプラセンタ育毛剤を補助的に取り入れれば、治療全体の質を高めることにもつながります。

保管方法による品質劣化に注意

プラセンタ配合製品は成長因子などのタンパク質を含むため、高温や直射日光のもとでは成分が劣化しやすくなります。開封後は冷暗所で保管し、使用期限を守って使い切ることを心がけてください。

女性向けプラセンタ育毛剤で効果を高める頭皮ケア習慣

育毛剤の効果を底上げするには、日々の生活習慣と頭皮ケアの質を同時に見直すことが近道です。以下に挙げる3つの習慣は、どれも特別な道具を必要としないため今日から始められます。

頭皮マッサージで血流を促す

指の腹を使って頭皮を円を描くように動かすマッサージは、毛細血管の血流を改善し、毛乳頭への栄養供給を促します。1回あたり2~3分、朝と夜の2回行うだけで十分です。爪を立てると頭皮を傷つけるため、力加減には注意してください。

育毛剤の塗布と組み合わせると、有効成分の浸透効率も上がります。入浴中に行えば、蒸気で毛穴が開いた状態なのでさらに効果的でしょう。

栄養バランスの良い食事で髪の材料を補う

髪の主成分であるケラチンは、タンパク質を原料に体内で合成する栄養素です。肉・魚・大豆製品・卵などの良質なタンパク質を毎食取り入れることが、育毛の土台です。加えて、亜鉛を多く含む牡蠣やナッツ類、鉄分豊富なレバーやほうれん草も意識的に摂りましょう。

過度な糖質制限や極端なカロリー制限は、毛母細胞へのエネルギー供給を減らし、抜け毛を悪化させることがあります。ダイエット中であっても、栄養のバランスを崩さないよう心がけてください。

質の高い睡眠で成長ホルモンの分泌を促す

成長ホルモンは入眠後の深い睡眠時に集中的に分泌され、毛母細胞の分裂を促します。就寝前のスマートフォン使用を控える、室温を適切に保つなど、睡眠の質を高める工夫を取り入れてみてください。

習慣頭皮への効果目安時間
頭皮マッサージ血行促進・成分浸透向上朝夜各2~3分
バランスの良い食事ケラチン合成の促進毎食
質の高い睡眠成長ホルモン分泌促進7~8時間

よくある質問

プラセンタ育毛剤は男性用の育毛剤と何が違いますか?

男性用の育毛剤は5αリダクターゼの抑制やジヒドロテストステロン(DHT)への対策を主眼とした成分設計が多いのに対し、女性向けプラセンタ育毛剤はホルモンバランスの変化や頭皮の乾燥に配慮した低刺激処方が中心です。プラセンタに含まれる成長因子は性別を問わず毛母細胞に作用しますが、女性用製品は保湿成分や抗炎症成分を多めに配合する傾向があります。

頭皮環境は性別やライフステージによって異なるため、パートナーの育毛剤を共用するのではなく、ご自身の頭皮状態に合った製品を選ぶことをおすすめします。

プラセンタ育毛剤の効果を実感できるまでにどれくらいかかりますか?

個人差はありますが、一般的には3~6か月の継続使用が目安とされています。毛髪のヘアサイクルには休止期から成長期への移行に一定の時間が必要なため、短期間での劇的な変化は期待しにくいでしょう。

Baratらの臨床試験でも評価期間は6か月に設定されており、その期間で毛髪数の増加が確認されました。焦らず毎日のケアを続けることが、効果を引き出すうえで大切なポイントです。

プラセンタ育毛剤に副作用のリスクはありますか?

現在報告されている臨床試験では、プラセンタ育毛剤の外用による重篤な副作用は確認されていません。ただし、動物由来のプラセンタ成分に対してアレルギー反応を起こす可能性はゼロではないため、初めて使う製品はパッチテストを行ってから本格的に使い始めると安心です。

頭皮にかゆみや赤みが出た場合は使用を中止し、症状が続くようであれば皮膚科を受診してください。妊娠中や授乳中の方は、事前に医師へ相談されることをおすすめします。

プラセンタ育毛剤は動物由来と植物由来のどちらを選ぶべきですか?

動物由来(豚・馬・牛)のプラセンタは、IGF-1やFGF-7といった成長因子を含む点が特徴です。臨床試験で育毛効果が報告されているのは動物由来のプラセンタであり、科学的な裏付けという面では動物由来のほうが情報が多い状況です。

植物由来プラセンタは胎座(たいざ)から抽出されるもので、成長因子は含みませんがアミノ酸やビタミン類を豊富に含んでいます。動物性原料に抵抗がある方や、アレルギーが心配な方には一つの選択肢となるでしょう。どちらを選ぶかは、ご自身の肌質と価値観に合わせて判断してください。

プラセンタ育毛剤と頭皮用サプリメントは併用できますか?

外用のプラセンタ育毛剤と経口のサプリメントは作用経路が異なるため、基本的に併用は可能です。育毛剤が頭皮の外側から成長因子を届けるのに対し、サプリメントは体の内側からビオチンや亜鉛、鉄といった栄養素を補給します。

ただし、複数のサプリメントを同時に摂取する場合は栄養素の過剰摂取にならないよう注意が必要です。特に鉄や亜鉛は摂りすぎると体に負担がかかることがあるため、摂取量の上限を確認したうえで利用してください。不安がある方は、医師や薬剤師に相談するのが確実です。

参考文献

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この記事を書いた人

大木沙織のアバター 大木沙織 医療法人緑生会 大木皮ふ科クリニック副院長

名前:大木 沙織
大木皮ふ科クリニック 副院長
皮膚科医/内科専門医/公認心理師
略歴:順天堂大学医学部を卒業後に済生会川口総合病院、三井記念病院で研修。国際医療福祉大学病院を経て当院副院長へ就任。

所属:日本内科学会

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