育毛をサポート!頭皮の血行を良くするツボの位置と正しい押し方

育毛をサポート!頭皮の血行を良くするツボの位置と正しい押し方

「最近、分け目が目立ってきた」「シャンプーのときに抜け毛が増えた気がする」――そんな不安を感じている女性は少なくありません。髪のボリュームが減ると、鏡を見るたびに気持ちが沈んでしまうものです。

実は、頭皮の血行が滞ることで毛根に届く栄養や酸素が不足し、髪の成長が妨げられるケースは珍しくありません。そこで注目したいのが、東洋医学で古くから伝わる「ツボ押し」による頭皮ケアです。

この記事では、頭皮の血行を促すツボの正確な位置と効果的な押し方を、女性の薄毛治療に20年以上携わってきた経験をもとにわかりやすく解説します。毎日のセルフケアに取り入れて、健やかな髪を育む土台づくりを始めてみませんか。

目次

頭皮の血行が悪くなると薄毛が進む理由を女性目線で解説

髪の毛は毛根にある毛母細胞が分裂を繰り返すことで成長しますが、その分裂に必要な酸素や栄養は血液によって運ばれています。つまり、頭皮の血流が低下すると、髪を育てるための「材料」が毛根に届きにくくなるのです。

毛母細胞と血流の密接なつながり

毛母細胞は体のなかでも特に活発に細胞分裂を行う組織の一つです。活発に働くためには十分な酸素とアミノ酸、ビタミン、ミネラルといった栄養素が欠かせません。

こうした栄養は頭皮を走る毛細血管から供給されるため、血行が悪化すると毛母細胞のエネルギー源が減り、髪が細くなったり成長期間が短縮したりする原因となります。

女性特有のホルモン変化が血行に与える影響

女性はライフステージごとにホルモンバランスが大きく変動します。妊娠・出産後や更年期にはエストロゲンの分泌量が変わり、血管の拡張・収縮のコントロールにも影響が及びます。

ライフステージホルモン変化頭皮への影響
20〜30代ストレスによるホルモン乱れ頭皮の緊張・血流低下
妊娠・出産後エストロゲン急減一時的な抜け毛の増加
40代以降更年期によるホルモン減少毛細血管の柔軟性低下
50〜60代エストロゲン低値で推移頭皮の乾燥と栄養不足

デスクワークや冷えも見逃せない血行不良の原因

長時間のパソコン作業による肩こりや首の筋肉の緊張は、頭部への血流を妨げる要因になりえます。肩から首にかけての筋肉がこわばると、そこを通る血管が圧迫されて頭皮まで十分に血液が行き届かなくなるためです。

加えて、冷え性の女性は末端の血流が滞りやすく、頭皮も例外ではありません。冬場だけでなく、夏場のエアコンによる冷えにも注意が必要です。

育毛に効果が期待できる頭皮のツボ5選と正確な見つけ方

東洋医学では、体の経絡(けいらく)上に存在するツボを刺激することで気血の巡りを整えるとされています。頭皮周辺にも育毛をサポートするツボが複数存在しており、正しい位置を把握することがケアの第一歩です。

百会(ひゃくえ)――頭頂部にある万能ツボ

百会は頭のてっぺん、左右の耳の上端を結んだ線と、鼻の延長線が交わるところにあります。「百の経絡が会する」という名前のとおり、全身の気血の巡りを整える代表的なツボです。

指の腹でやさしく垂直に押すと、頭皮全体がじんわりと温かくなるのを感じる方も多いでしょう。自律神経のバランスにも関わるとされ、ストレスケアにも役立ちます。

風池(ふうち)――首の付け根で血行を促す

風池は後頭部の髪の生え際、首の太い筋肉の外側にあるくぼみに位置します。親指でゆっくりと頭の中心に向かって押し込むようにすると、首周りの血流が改善され、頭皮への血液供給がスムーズになりやすいです。

肩こりや頭痛を感じやすい方は、このツボの周辺がこわばっていることが多いかもしれません。デスクワークの合間に押してあげると、気分転換にもなります。

角孫(かくそん)――耳の上で側頭部の血行を改善

角孫は耳を前に折りたたんだとき、耳の上端が頭皮に当たるポイントです。側頭部は帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)という薄い膜で覆われており、血流が滞りやすい部位でもあります。

人差し指と中指の2本で小さな円を描くように刺激すると、側頭部全体の血行が促されます。こめかみ周辺の緊張がほぐれ、頭がすっきりする感覚を得られるでしょう。

その他の育毛サポートに関連するツボ

ツボの名前位置期待できる作用
天柱(てんちゅう)首の後ろ、太い筋肉の外縁で生え際付近頭部全体の血行促進・緊張緩和
通天(つうてん)百会から左右に指2本分外側頭頂部の血流改善・頭皮の栄養供給サポート

頭皮のツボ押しで血行を良くする正しいやり方と注意点

ツボの位置がわかっても、押し方を間違えると十分な効果を得られないばかりか、頭皮を傷めてしまうこともあります。力加減やタイミングを正しく守ることが、セルフケアを長続きさせるコツです。

指の腹を使って「イタ気持ちいい」強さで押す

ツボ押しの基本は、爪ではなく指の腹を使うことです。人差し指・中指・薬指の3本の腹を揃え、ツボに対して垂直にゆっくりと圧をかけます。

「イタ気持ちいい」と感じる程度が目安で、痛みを我慢するほど強く押す必要はありません。3〜5秒かけてじわじわと押し込み、同じ時間をかけてゆっくり離すのが効果的です。

1回3〜5分を目安にした頭皮ツボ押しの手順

まず百会を5回ほど押してから、風池、角孫、天柱の順に左右それぞれ5回ずつ刺激します。全体で3〜5分程度が目安であり、長時間やりすぎると頭皮に負担がかかる場合もあるため注意してください。

  • シャンプー前の乾いた頭皮、または入浴中の温まった状態で行う
  • 爪は短く切り、清潔な指で行う
  • 力を入れすぎず、呼吸を止めないようにする
  • 頭皮に傷や炎症がある場合は避ける

避けるべきタイミングと頭皮の状態

頭皮に湿疹やかぶれがある時期はツボ押しを控えましょう。炎症がある部位を刺激すると、症状が悪化する恐れがあります。また、飲酒直後は血圧が不安定になりやすいため、ツボ押しは避けたほうが安全です。

発熱時や体調不良のときも無理に行う必要はありません。体が回復してから再開すれば問題ないでしょう。

ツボ押しと組み合わせると育毛効果が高まる頭皮マッサージ

ツボ押し単独でも頭皮の血行促進には有用ですが、マッサージと組み合わせることで頭皮全体の血流をさらに効率よく改善できます。研究でも、1日数分の頭皮マッサージを継続することで毛髪の太さが増したという報告があります。

指を広げて頭皮全体を動かす「つかみ揉み」

両手の指を大きく開き、頭皮をつかむようにして前後左右に動かします。このとき、髪の表面をこするのではなく、頭皮そのものを骨から動かすイメージで行ってください。

帽状腱膜のある頭頂部は特に血流が滞りやすいので、重点的に揉みほぐすとよいでしょう。1箇所あたり5〜10回ほど動かしたら、少しずつ指の位置をずらして頭全体をカバーします。

こめかみから頭頂部へ引き上げるリフトアップ手技

こめかみに両手の手のひらを当て、頭頂部に向かってゆっくりと引き上げるように圧をかけます。側頭部の筋肉がほぐれ、頭皮全体の緊張がゆるむのを感じるはずです。

この手技はフェイスラインのリフトアップにもつながるため、美容効果も期待できます。1回のマッサージにつき5〜6回繰り返すだけで十分です。

マッサージ前後のホットタオルで血管を広げる

蒸しタオルを首の後ろや後頭部に当てると、温熱効果で頭皮周辺の血管が拡張しやすくなります。マッサージやツボ押しの前に行えば、刺激がより効果的に伝わるでしょう。

タオルの温度は40〜42度程度が適温で、やけどしない程度に調整してください。電子レンジで濡れタオルを30〜40秒加熱するだけで手軽に用意できます。

ケアの種類所要時間の目安頻度
ツボ押し3〜5分毎日
つかみ揉みマッサージ3〜5分毎日
ホットタオル3〜5分週3〜4回
リフトアップ手技1〜2分毎日

頭皮の血行促進だけでは足りない!育毛のための生活習慣

ツボ押しやマッサージで頭皮の血行を良くしても、栄養バランスの乱れや睡眠不足が続けば毛母細胞は十分に働けません。内側からのケアを意識することが、髪を育てるうえで大切です。

髪の材料となるタンパク質・鉄・亜鉛を毎日の食事で摂る

髪の約90%はケラチンというタンパク質で構成されています。良質なタンパク質を含む肉・魚・卵・大豆製品を毎食取り入れることで、毛髪の原料を安定的に供給できます。

また、鉄分は血液中のヘモグロビンの材料であり、酸素を毛根へ届ける役割を担っています。女性は月経によって鉄分を失いやすいため、レバーやほうれん草、小松菜などを意識して食べるとよいでしょう。亜鉛はケラチンの合成に関与するミネラルで、牡蠣やナッツ類に多く含まれています。

栄養素主な食品例髪への働き
タンパク質鶏むね肉・鮭・卵・豆腐ケラチンの原料
レバー・ほうれん草・赤身肉酸素運搬の促進
亜鉛牡蠣・ナッツ・チーズケラチン合成をサポート

睡眠中の成長ホルモンが毛母細胞を活性化させる

成長ホルモンは深い睡眠時に多く分泌され、全身の細胞の修復と再生を促します。毛母細胞もこの恩恵を受けるため、質のよい睡眠を確保することは育毛ケアの基本といえます。

就寝前のスマートフォンの使用を控え、寝室の温度や湿度を整えるだけでも睡眠の質は向上しやすくなります。6〜8時間の睡眠時間を目標にしてみてください。

ストレス管理が頭皮への血流を左右する

過度なストレスは交感神経を優位にし、血管を収縮させます。その結果、頭皮の毛細血管への血流が低下し、毛根への栄養供給が減ってしまいます。

ウォーキングやヨガなどの軽い運動、深呼吸、趣味に没頭する時間を意識的につくることが、ストレスを緩和する助けになるでしょう。ツボ押しやマッサージ自体にもリラクゼーション効果があるため、ケアの時間をストレス解消の場としても活用してみてください。

頭皮の血行を良くするツボ押しを毎日続けるためのコツ

どんなに効果的なセルフケアでも、三日坊主で終わってしまっては十分な変化を実感しにくいものです。毎日無理なく続けるための工夫を知っておくと、習慣化がずっと楽になります。

朝の洗顔やシャンプーの「ついで」に組み込む

新しい習慣を定着させるには、すでに毎日行っている行動に「紐づける」のが効果的です。朝の洗顔後に百会を5回押す、シャンプー中に風池と角孫を刺激する、といった形で既存のルーティンに組み込むと、わざわざ時間をつくる必要がなくなります。

入浴中は体が温まり血管が拡張しているため、ツボ押しの効果を得やすいタイミングでもあります。

スマートフォンのリマインダーで忘れ防止

慣れないうちはスマートフォンのアラームやリマインダーを活用しましょう。毎日決まった時刻に通知が届くように設定しておけば、「あ、今日もやらなきゃ」という気持ちが自然に湧いてきます。

2〜3週間続けると体が覚え、通知がなくても自然に手が頭に伸びるようになるでしょう。小さな変化を記録する「ケア日記」をつけるのもモチベーション維持に有効です。

変化を実感するには最低でも3か月の継続が目安

髪のヘアサイクルは数か月〜数年のスパンで動いています。ツボ押しやマッサージによる血行改善の効果が髪の見た目に反映されるまでには、少なくとも3か月程度の継続が目安です。

「すぐに結果が出ないから意味がない」と諦めるのではなく、頭皮が柔らかくなった、肩こりが減った、頭がすっきりするようになった、といった途中経過の変化にも目を向けてみてください。

継続期間期待できる変化
2週間〜1か月頭皮の柔軟性が増す・肩こりの軽減
1〜3か月抜け毛の減少を感じ始める方も
3〜6か月髪のハリやコシの変化を実感しやすい

薄毛が気になる女性が頭皮のツボ押しと併せて受けたい医療的ケア

セルフケアで頭皮環境を整えることは大切ですが、薄毛の進行が気になる場合は医療機関での相談も視野に入れましょう。専門的な検査や治療を組み合わせることで、より効率的に育毛を目指せます。

皮膚科・薄毛専門クリニックで受けられる検査

  • マイクロスコープによる毛穴・毛髪の観察
  • 血液検査によるホルモン値や栄養状態の確認
  • 頭皮の生検(必要に応じて)

外用薬ミノキシジルの使い方と女性が知っておくべきポイント

ミノキシジルは血管拡張作用により毛包周辺の血流を増やし、発毛を促す外用薬です。女性の場合は1%濃度の製剤が一般的に使用され、1日2回頭皮に塗布します。

使用を始めて2〜3か月は一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起きることがありますが、これはヘアサイクルが正常化する過程で生じる現象です。自己判断で中止せず、主治医と相談しながら継続することが大切といえます。

セルフケアと医療の両輪で取り組む育毛計画

ツボ押しやマッサージはあくまで「頭皮環境を整えるサポート」であり、薄毛の原因によっては医療的な治療が必要になる場合もあります。セルフケアを土台にしつつ、必要に応じて専門医の力を借りる姿勢が、結果的には遠回りをせずに済む方法です。

自分の薄毛がどのタイプに該当するのかを正確に把握するためにも、まずは一度医療機関を受診してみることをおすすめします。

よくある質問

頭皮の血行を良くするツボ押しはどのくらいの頻度で行えばよいですか?

毎日1〜2回、1回あたり3〜5分程度を目安に行うのがおすすめです。朝の洗顔後やシャンプー時など、すでに習慣化している行動のタイミングに合わせると続けやすくなります。

ただし、やりすぎは禁物です。長時間の刺激は頭皮に負担をかける可能性があるため、心地よいと感じる範囲にとどめてください。まずは3か月を目標に、焦らず取り組んでみましょう。

頭皮のツボ押しだけで女性の薄毛は改善できるのでしょうか?

ツボ押しは頭皮の血行を促進し、毛根への栄養供給をサポートする方法ですが、薄毛の原因はホルモンバランスや遺伝、生活習慣など多岐にわたります。そのため、ツボ押しだけですべてのケースが改善するとは断言できません。

栄養バランスのよい食事、十分な睡眠、ストレスの軽減といった生活全体の見直しと組み合わせることが大切です。薄毛の進行が気になる場合は、皮膚科や薄毛専門クリニックへの相談も検討してみてください。

百会や風池といった頭皮のツボを押すときに避けるべき状況はありますか?

頭皮に湿疹・かぶれ・傷がある場合は、その部位への刺激を避けてください。炎症が悪化する恐れがあるためです。また、飲酒直後や発熱時は血圧や体温が不安定になりやすいため、ツボ押しは控えましょう。

妊娠中の方は一部のツボが子宮に影響を及ぼすとされることもあるため、事前にかかりつけ医へ相談しておくと安心です。体調がすぐれないときは無理をせず、コンディションが整ってから再開するようにしてください。

頭皮の血行を良くするツボ押しの効果を実感できるまでにどれくらいかかりますか?

個人差はありますが、頭皮が柔らかくなったり肩こりが軽減したりといった変化は2〜4週間で感じ始める方もいらっしゃいます。髪のハリやコシ、抜け毛の減少といった目に見える変化については、3〜6か月程度の継続が目安です。

髪にはヘアサイクル(成長期・退行期・休止期)があり、ツボ押しによる血行改善の影響が新しい毛髪の成長に反映されるまでには時間が必要です。すぐに結果が出なくても焦らず、日々のケアを積み重ねていくことが何より大切といえます。

頭皮のツボ押しとミノキシジルなどの外用薬は併用しても問題ありませんか?

基本的にはツボ押しと外用薬の併用は可能ですが、外用薬を塗布した直後に強い力で頭皮を刺激すると、薬剤が意図しない範囲に広がったり頭皮に余計な負担がかかったりする場合があります。

外用薬を使用している方は、薬剤が十分に乾いてからツボ押しを行うか、ツボ押しを先に行ってから外用薬を塗布するとよいでしょう。具体的なタイミングについては、処方医に相談して確認することをおすすめします。

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この記事を書いた人

大木沙織のアバター 大木沙織 医療法人緑生会 大木皮ふ科クリニック副院長

名前:大木 沙織
大木皮ふ科クリニック 副院長
皮膚科医/内科専門医/公認心理師
略歴:順天堂大学医学部を卒業後に済生会川口総合病院、三井記念病院で研修。国際医療福祉大学病院を経て当院副院長へ就任。

所属:日本内科学会

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